いよいよ本番、迎えます。

役者の本音…


いよいよ来週5月27日に初日を迎える「キッスだけでいいよ」、劇団ぷらっと第7回プロデュース公演、心境は複雑でありながら、毎回の如く気力充満の思いである。


この作品、何度もあちこちに書いたが、2019年9月15日に初めて読んだ。最初は「作品としては小品だなあ」と。それが読み終わってなんども心底から湧き起こる義憤や悲しさに、揺れた。

複雑でもない、普通の「悲しさや、腹立たしさや、なんともならない辛さ」の感情、でも普通だけに、よく理解できる、難しいところがどこにもない、人がよく画かれている、微妙な感情、よくある感情のつながりでドラマが起こり、それにより人に感動が起こり、さらに大きな感動になり、突然、余韻とともに終わる、といった物語、泣けた、3回ほど泣いた…


そんな感想だった。そしてこれを舞台に上げたい。観てもらいたい、劇団員に話、そして了解をもらってスタートし、多くの客演の仲間と稽古、そこにコロナ、止む無く中止の決定、その夜荒れた、「おう、今夜は飲むぞ!」の心境、板宿のある店で。前年、ある上場会社の役員を定年で終え、東京から神戸に帰ってきたので「老後は一緒に芝居しようぜ」と無理やり引っ張り込んだ大学の後輩(同じ演劇部だった)…と、飲んだ。


そして半年後の2020年10月、再開スタート、キャストの中には歩けない重い病気にかかり、手術、またある京都の名刹の管主(父親)が亡くなり、後継ぎで帰らざるを得なく…などなどで役者の入れ替わりがあり、まさに再スタート。


2021年、1月~稽古は劇団神戸の稽古場(多くの劇団がコロナの影響で稽古も本番もできない。むしろ幸いであったが)を小倉啓子代表にお借りしてスタート、これが助かった。稽古は熱く細かなところまで演出のダメ出し、むしろ演出に何かが乗り移ったような連日の稽古。


足掛け3年、コロナの中でいよいよ本番を迎える、昨日客演全員16名でPCR検査を受けた。客席数は満席でも50%、90名が満席、そんな対策をうって本番を迎える。


現在420名の予約をいただいてる。


おそらく人生でも、紆余曲折を経た稀有な舞台となるだろう。多くの劇団やコンサートが中止、もしくは延期となっている。

我々は、あきらめることなく、稽古にも感染対策で臨み、本番も出来得る限りの対策で臨む、おそらくは、幕を降ろしたときに得る多くの人たちとの感動に、この作品を上演できた感動を、重ねて得ることになるだろう。


あと、数日ののちに…。  (順平)