作家高橋正圀氏のインタビューがあった。
「表現するということ」…劇団に入ってくる人は多くないけれど、表現活動をしたい人は増えている。職のない若者が多い中で、芝居という職をもっている、表現することができるというのはいいことだと思う。物事を「考える」うえで「表現すること」が実は重要な手立てになると思うのです。それに気づくといい。
高橋さんが劇作家を目指したのは、やはり自分を表現したかったからですか?
自分を表現するというより、人を笑わせたい、楽しませたかったんだ。それが幸せだと思うから今もやってるんじゃないかな。脚本(台本)というのは未完成で、芝居になって初めて完成品になるんだと思う。その間にいろんな人の「表現」が集まるわけで、それが面白いんじゃないかな。
一貫して喜劇を選んできたのですか?
喜劇と云うよりユーモア劇かな。師匠の山田洋次監督に「高橋君、日本の笑いはね、涙とセットでないと受け入れられないよ」と言われたことは非常に印象的だった。
日本人にチャップリンは受けても、バスター・キートンはあまり受けなかった。
それは「涙」無しだったからねえ。
高橋正圀:1943年(昭和18年)生まれ。山形県米沢市出身。シナリオ作家協会・研究所終了後、山田洋次氏に師事。
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