私の手元に、山田洋次監督のメッセージが…

「キッスだけでいいよ」上演台本は高橋正圀さんが書いた。この人は山田洋次監督の助監督をしたり、「釣りバカ」のシナリオを書いたりの脚本家であることは、前にも書いた。

青年劇場でこの作品を上演するにあたり、紹介パンフレットに山田洋次監督がメッセージを寄せている。


「今度の芝居(キッスだけでいいよ)では、外国人労働者の厳しい生活と、その人たちと暮らす下町の人々の姿に、笑いながら涙し、つよく胸を打たれました。そして、高橋さんて「なんてこころの温かい人だろう」「本当に人間を描くのが上手!」とつくづく感心しました。私は高橋さんの大ファンなのです。

私は「喜劇キューリー夫人」で青年劇場の皆さんとご一緒し、旅もしていますが、とても楽しい仕事です。青年劇場の皆さんは、一生懸命で明るく、やさしく、「ああ高橋さんの描く人たちにぴったりだ!」と、いつも思います。心あたたかく、ピリッとして面白い舞台、どうぞご覧ください。

われわれと兄弟の民族であるアジア・アフリカの人たちを、欧米人よりも低く見たり、差別視したりすることが続くうちは、日本人は国際的に認められる資格などないはずだ。

「キッスだけでいいわ」は、その意味でとても今日的で、深い意味があって、しかも面白い素材をとりあげたものだ、と感心しています。

青年劇場が相性のいい高橋正圀君とふたたび四つに組んで作りあげる笑いと涙の舞台を、是非とも故郷を遠く離れた日本で、孤独と望郷の思いにかられながら働いている外国人労働者の諸君に、観せてあげたいものだ。(上演パンフレットより抜粋)


昨日、日曜日稽古のあと、三宮の構内のキオスクで帰りにジュース買おうと立ち寄った。いつもの那須さんの分も一緒に。レジで、マスク越しだが、色の白い目のパッチリの若い女性が「はい、年齢確認お願いします。はい、408円です、ありがとございます。」とニコッ。

「シオンさん?(名札に)お国はどちら?ベトナム?」「はい、そです」ニコッ。


いつも思うのだが、アジア。からの店員さんに不愛想な人がいない。最近は特にベトナムの人が多い。そしていつも気持ちがいい。つい「頑張ってネ」なんてお追従を言ってしまう。

それだけ、気持ちがいいのだ。なんか「日本に来て、はたらかせてもらっています。ありがいです、いただいたお給金はクニの家族に送ります、それでみんな食べられます、ありがたいです、ニホンのみなさんのおかげです」とまでは言わないが、そんな気持ちで働いていることがよくわかる、筒見のセリフじゃないけれど「それに比べて、今のOLは…」のシーン、なんとも説得力がある、人間がよく画けているこの台本。随所にそういうシーンが、リアリティのある実感のセリフがでてくる。普段思っているままを語ればこの芝居の人間になれる、そんな物語、あと、1か月半、どんどん実感をセリフに練り込んで、共感感動劇に仕上げたいものだ、と思う。


三宅兄貴が本気だして来た。


鹿田ひさこさんに帰り「今日の稽古観ててどう感じた?」に「ほのぼのとしてきました」だって。(順平)