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芝居の中にある「エチュード」

  • 順平
  • 2019年3月22日
  • 読了時間: 3分

[if !IE]><meta http-equiv="X-UA-Compatible" content="IE=edge"><![endif]エチュードの意味tmpCSS contentsCSS PC版 StartFragment:演劇でいう、即興劇。

台詞や動作などを役者自身が考えながら行う劇のこと。

経験のある人は多いだろうが、子どもがひとりでままごとをして遊んでいるシーンをこっそり蔭から見ていると、脈絡がない歌をうたっても、人形さんと遊んでお母さん役をしているのを見ていても飽きないものだ。その仕草や表情がなんとも人をひきつけるものをもっている。そしてそれを理屈では説明できない。なぜだか、安心して見える。

役者を志してる人はおそらく、その心地よさを知っていて、もう一度、自分と違う、現実と違う、別の自分、別の世界に遊んでみたいと、芝居をこころざした人がおおいのではないだろうか。

いうならば、役者とは詩人なんである。

一方、大人の演技は、底が浅く嘘っぽくて安心できない。大人の演技を振り返ってみて、「ためにする演技」で、中途半端につくる大人の演技は臭くて見えない。怒ったり笑ったりも首から上だけの決まりごとのような形だけの演技を、表現をさながら役者の演技と称して平気でやる。

その嘘っぽさが子どものひとり遊びにも及ばない。

ひとつは子どもは「無意識な稚気」を持っている。 常に難しく考えない、感情で語り動く、だから感動を呼ぶのだ。

若いとき、このエチュード(当時は無対象行動と教えられた)を研究所時代に、たびたびやった。

「いつ、どこで、こんな人間がいる、という場面設定」だけ言われ、最初は二人、そして人を増やしていく、その関係性はのちに参加する人間は見ておかないと、物語が成立しない、大変な緊張感。

そこに突然、「言葉で物語」が投げ込まれる、それに反応しなくてはならない、但し、不用意な言葉は禁句、さらにどんどん物語が進行する、30分ぐらいたつとみんなその物語が大きな転換をもたらす、それが軽い感動になっていく、うまいチームのエチュードは毎回、芝居になっていた。

そういうエチュードを何度も何度も繰り返しやった。だからある種の夢想家になる。まるで詐欺師のような…。

今、「葬儀はキャンセルできない」の稽古中に何度も、こういう場面にでくわす。でもつなげられない、場がわかっていないと不用意な言葉しかでてこない、流れに添った言葉を産めない。だからつまってしまう。その前に、芝居がもつ空気感の中にいないのである。中の登場人物になりきれていないので、生きた会話が生まれない、冗談みたいな芝居ばかりとなって、臨場感が生まれない。

笑いでごまかす、真剣な芝居とならないので、疲れる。場が見えていない芝居、こどもにも劣る。

エチュードは一人でもできる、おそらくうまい役者は毎日やってるのだろうと思う。その役になって、台本に書かれていない言葉で遊んでるんだと思う。それが役の膨らませ方なのだが、どうも浅い演技しかできないのは、感情が未熟で想像性に乏しいがゆえに、ひとつの形(そう、演技と云う形だけ)しか出せないのだろうと思う。相手役としてはつまらないこと極まりない。毎回同じ、つまらん。発見も刺激もない、足し算みたいな稽古しても意味がない、掛け算で稽古しないと。まして今回の芝居なんて掛け算ばかりなんだよ。裏方もみんながそうでないと、「有料の芝居」にならんと思うが…それにそろそろ真剣にかからないと、つまらん、お前の話は、つつ、つ、つまらん!!って、亡き役者に言われるよ。ボーッと生きてるんじゃないよ、この大根があ!!なんて。自戒をこめて。

エチュード、しっかりやろう、それと各人がそのエチュードの中に居て、考え、続けること。

今日かいたことがわからないと芝居にならんですよ、新人も少し経験者も…

自分のことは棚に上げて言いました。(先日、その棚が重さで折れましたが…J)

 
 
 

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