2回見た、2回泣いた…

April 4, 2019

NHK朝ドラ『なつぞら』。主演の広瀬すず、主題歌はスピッツだと。注目間違いなし、と思えるが

なんと、今まで4回放映されているが、1回目と今日の4回目、見た、泣いた…年かなあ。

朝ドラで泣くことは長いことないけど。

実は、この主人公のなつの子供時代を演じる粟野咲莉の演技に泣いたのだ。

 

かって子役の演技に泣かされた経験は多いが、今日のなつのアイスクリームを食べるシーンで泣いた。勿論、前の流れからだが、泣いたのはこの子役の「目」なのだ。

 

以前、芝居観に行って遠い距離の芝居なのに、役者の目ばかりが見えていた。それはあの仲代達也の「どん底」のサーチン役のとき、国際会館の2階席(当時学生で金がなく、一番後ろの2階でみた)、目など顔のパーツからすれば小さなものなのに、それがはっきり見えた。役になりきっているから、役者の感情が「目」を通して表現されていく、その出口が「目」なのだ。

 

今、稽古でも演出がある役者に「目がたびたびキョロキョロしている」と指摘しているが、その意味がわからないと本来は訂正できない、形ばかり目をむいても本来の演技にならない、感情の現れる唯一の窓が「目」なのだ、そこは嘘のない窓なんだ。他の人も然りでこういうケースはたくさんある。他の芝居観に行ってもこういう場面は頻繁に多い、経験の浅い役者さんはたびたびやる。また演出でもこういう指摘をする人は少ない、役者の心理が分からない演出は気づかないまま通り過ぎる、だから浅い。

 

今日の子役の栗野さんの演技、嬉しいときは目が嬉しい、哀しいときは目が悲しんでいる、うっすらと涙が、そして、きょうのシーンであの過酷な東京空襲を思い出し、涙が…、同時におそらく日本中の朝が泣いたと思う、それだけ影響力があることと、この子役の無垢な演技に泣かされた。

 

大人は「子供と動物には泣かされるわ」とかしったかぶりで評論家、いっぱしの評論家、一杯いる、つまらん生き方してる大人が。そんな中にこういう子役の「目」をみると、背筋がピーンと立つ。

 

前にも書いたがあるとき、その時の演出家から聞いた話だが、ピッコロシアターの演出をしていた秋浜悟志氏が「そもそも上手い役者とはその人の人生に起因する」と。

樹木希林さん然り。

 

今日、その子役の所作をみると、まだおそらく10歳ぐらいだろうに、何から何まで、手の上げ下げから頭の上げ下げまで、きっちりできている、戦争で亡くなった両親の愛情と愛ある教育、しつけがゆきとどいていたのだろうなあと、そんな10歳の人生のことまで想像させられる役者、なかなかいない。

「適当」なのはいっぱいいるけど。

 

もういちど、セリフをきっちり読み直し、さらに背景に隠れている思い、感情を汲み取る作業からするべきかと思う。地下から汲み取る作業は、時にまろやかでまるで飲んだことのないほどの宝水のこともあるのです。何度も言うが、「目」なんだ、そこがしっかりしてくると、体の動きが違ってくる。そのためにすることは…(J)

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