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今年もその時期が…

順平さんから、「おいっ、宏昭、今年もやるよ、今度はちょっとシリアス、かつ笑うよ、でも最後になんともいえん…いやああ、この先はお前にもいえん、うふふふふ…」なんて意味深なメールが先日飛んできた。

いつもこれ、順平さんにはいつも騙されて、本番一か月前でも「ええっ?本当にそれやるんですか、演出の小森さんもOKなんですか?勝手にやっていいんですか?相手役さんも了解ですか?」なんて聞かされてドキドキさせられることもある。昔から順平さんはそうだった。

東京時代、順平さんとはそこで知り合ったのだが、全国のアマチュア劇団から、この「ガーディアンガーデン(神々のいる庭)」というあるメセナ活動に応募してもらう、ここではカネもない、コネもない、しかし東京の真ん中、スペイン坂の芝居小屋で1週間、会場費も宣伝費もある会社がもってくれて東京で芝居が打てる、そして入場料はすべて自分たちの収入にしてよし、観客はその会社が集めてくれる…そんな企業のメセナ文化活動(社会貢献)の演劇部門の責任者を順平さんがしていて、そこで一メンバー(会社の部下)として関わったのが付き合いの始まりだった。

当時、全国から300ぐらいの劇団から応募、そこから3組だけ選ぶ、最初に書類とVTR審査、10劇団に絞られ、審査員の前でプレゼン、持ち時間10分、かつ質疑応答、審査員はナイロンのサンドロビッチさんや、雑誌演劇編集長のOさん、(今、ENBUで有名・カメラを止めるなのプロヂューサーのU氏の前任)や善人会議代表、山の手事情社のYさんなどなど。

その裏方で手伝った。そして芝居の魅力にはまった。観る側、創る側の独りとして。

時は流れて10年ほど前、付き合いが再開、今日にいたる。でも今年も面白そう。深くは語ってくれないが、台本読むかぎり、笑った、そして最後は…そうか、これだな、順平さんが言いたかったのは。

かなり達者な役者がいる感じだなあ。まあ、劇団ぷらっとは本読み、半立ち稽古、立ち稽古としっかり時間とるからそれなりのアンサンブル(調和)を創って来るから安心はしているが、今回はかなりの無言な状態でのアンサンブルがいるような気がする。これはベテランでも難しい、がんがん速射砲のようなセリフの応酬の芝居なら、意外に客はセリフに集中してればいいが、意外に「間」がある芝居はベテランでも難しい。「間」で空間を創っていく、だから余計にセリフのもつ意味が大きな要素となる。結果、一人ひとりの芸の深さが要求される、だからまあ、楽しみでもあるが…

「制作」にいつも名を連ならせてくれる、というか勝手に名を入れられているが、毎回やる以上は手を抜いてないつもりだ、今回ももう1か月過ぎるが、どんどん妄想(?)が湧き上がってきている。

世にない舞台、刹那な舞台、それを金かけて楽しむ、贅沢な芸術、贅沢な文化だと思う。(宏昭)

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